トップページ > 筆麿誕生のおはなし
1985年。 当時の私たちの会社は、元々ビル用サッシの取りつけを行なうサッシ屋だった強みを生かし、ビル業界向けの建築ソフトの開発・販売で順調に業績を伸ばしていました。 そんな頃、当時の社長の父が亡くなり葬儀が執り行われました。 葬儀のあと、父親の死による悲しみの中で、たくさんの方に頂いたお供えやお香典を前にして、葬儀後の雑務の多さに途方に暮れていました。 そこで、「パソコンを使って香典整理ができないか?」 「葬式に飾る飾り物の筆文字をパソコンで書けないか?」 とひらめいたのが始まりでした。 時は1985年、まだパソコンが産声をあげて間もない頃です。今の時代のように大型のプリンタやデジカメ・スキャナなどは想像もできない時代でした。 当時の社員からすれば。社長のわがままとしか思えないような単純な発想から開発を始め、1988年には「毛筆名札書きシステム」という現在の「筆麿」の前身となるソフトの販売を始めたのです。
販売は開始しましたが、当初はほとんど売れることはありませんでした。 どこへ行っても「葬儀の花環をコンピュータで書かせるなんてとんでもない!」と門前払いでした。 ところが時代が進むにつれ、毛筆の書き手が少なくなり、紙や布に印刷ができる大型インクジェットプリンタが発売されるようになり転機が訪れました。 開発から10年後の1995年に、厚紙や布専用の「毛筆名札書きシステム」としてようやく売れるようになってきたのです。 しかし、売れるようにはなりましたが、ここでも又、問題が出てきました。お客様が実際に使用されている布に直接プロッタで印刷するにあたって「文字の色が薄い」「インクが雨で流れる」「カートリッジの中でインクが固まる」など様々な問題が発生し、多くのお客様にお叱りを受けました。 その反面、たくさんの事をお客様から教えて頂き、社員の強い思いでインクや布と格闘し、布の改良に取り組み乗り越えることができました。
今では、インクジェットプリンタのインクが水で流れることもなく、色あせもしない発色のよい専用のメディア(厚紙・布などの出力媒体)の開発も行い、多くのお客様に提供できるまでになりました。様々な用途に最適なメディアをたくさんご用意しております。 そして、現在販売しております「筆麿3000」では、その最大の特徴である高速で美しい印刷が実現いたしました。 通常では、カラーインクジェットプリンタでの印刷は時間がかかるものですが、図面を設計するソフトの世界で培われたノウハウを活かして、「筆麿3000」では「速くて綺麗」という相反する要求に応えることができるようになりました。 「筆麿3000」は、お客様から教えて頂いた沢山の知識、私たちの経験、そして技術によって支えられ現在に至っているのです。
2011.11.11 開発の由良です。